映画『パンク侍、斬られて候』公式サイト

これまでに様々な役柄を渾身の力で表現してきた“ミスター・キャラクター・アーティスト”、綾野剛の主演最新作にして、北川景子、東出昌大、染谷将太、そして村上淳、若葉竜也、近藤公園、渋川清彦、さらに浅野忠信に永瀬正敏、さらにさらに、國村隼、豊川悦司と、超豪華キャストが集結して爆発的な世界観を作り上げる『パンク侍、斬られて候』。まさに日本を代表する一級の俳優陣が全開で掛け合い、ぶつかり合うことで生まれる圧倒的なエネルギー。

1957年生まれ、福岡県出身。日本大学芸術学部に入学後、『高校大パニック』(76)を撮る。以降、『狂い咲きサンダーロード』(80)、『爆裂都市 Burst City』(82)でインディーズ界の旗手として名を馳せる。その後『逆噴射家族』(84)、『エンジェル・ダスト』(94)、『水の中の八月』(95)、『ユメノ銀河』(97)を次々と発表。海外でも高く評価され数々の国際映画賞を受賞した。2000年に発表した『五条霊戦記 GOJOE』では牛若丸と弁慶の物語を、CGを駆使したアクション大作に仕上げた。

「最初は2時間尺の配信コンテンツとしてdTVで配信する予定でした。」制作プロデューサーの伊藤は企画の始まりをこう振り返る。 石井監督が原作発表当初から抱いていた「パンク侍、斬られて候」映画化への想いに伊藤プロデューサーが共鳴したことで始まったこの企画。

町田康による小説『パンク侍、斬られて候』が刊行されたのは2004年のこと。発売時にこれを読んだ石井岳龍監督が映画化を意識したことが始まりだった。石井監督は言う。「主人公の掛十之進をはじめ、様々な濃いキャラクターたちが縦横無尽に活躍していく。なかには猿の軍団と腹ふり党の合戦までありながら、現代の社会をデフォルメした純文学であるという非常に欲張った企画だなと。これを映画にしたら、最近は少なくなっている奇想天外で娯楽的であり、かつ観る人によっては様々なものを感じられる、そんな映画になると思いました」。

映画『パンク侍、斬られて候』

これまでに様々な役柄を渾身の力で表現してきた“ミスター・キャラクター・アーティスト”、綾野剛の主演最新作にして、北川景子、東出昌大、染谷将太、そして村上淳、若葉竜也、近藤公園、渋川清彦、さらに浅野忠信に永瀬正敏、さらにさらに、國村隼、豊川悦司と、超豪華キャストが集結して爆発的な世界観を作り上げる『パンク侍、斬られて候』。まさに日本を代表する一級の俳優陣が全開で掛け合い、ぶつかり合うことで生まれる圧倒的なエネルギー。冒頭から疾風怒濤にして予測不可能。とある者が正体を表すことによって世界が一変する流転のごとき展開は、ほぼ全編がネタバレ御免!
2018年夏映画の先陣を切る、かつて誰も見たことのない超娯楽映画が誕生した。

原作は芥川賞作家、町田康が2004年に発表した傑作小説「パンク侍、斬られて候」。驚きに満ちたストーリー、ど肝を抜く大団円、そして社会の写し鏡のような世界観は、発表から十数年経った今でも色あせないどころか、混沌深まる現代そのものが小説に近づいて来てしまった、と言っても過言ではない。多くの熱狂的なファンを持つこの破天荒な原作を見事なまでに脚色するのは、『GO』(01)で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞し、ドラマ「あまちゃん」(13)で社会現象を巻き起こした稀代のストーリーテラー、宮藤官九郎。監督は『狂い咲きサンダーロード』(80)や『爆裂都市 BURST CITY』(82)でジャパニーズ・ニュー・ウェーブの急先鋒となり、『逆噴射家族』(84)でサルソ映画祭グランプリ、『エンジェル・ダスト』(94)でバーミンガム映画祭グランプリ、『ユメノ銀河』(97)でオスロ映画祭グランプリを受賞した不世出の鬼才、石井岳龍。町田康が「石井監督だからこそというより、石井監督じゃなきゃ映画化をOKしていなかった」と語る通り、原作:町田康×脚本:宮藤官九郎×監督:石井岳龍による宇宙的トライアングルが、日本映画界に新次元の風穴をぶち開ける。更に特撮監督には『シン・ゴジラ』(16)の尾上克郎、美術に『クローズZERO』(07)シリーズ、『十三人の刺客』(10)の林田裕至、キャラクター・デザイン/衣裳デザインには『信長協奏曲』(16)や『銀魂』(17)の澤田石和寛と、日本映画を牽引するトップランナーが揃った。

ある日、とある街道に一人の浪人があらわれ、巡礼の物乞いを突如斬りつける。自らを“超人的剣客”と表すその浪人の名は掛十之進(綾野剛)。掛は、「この者たちは、いずれこの土地に恐るべき災いをもたらす」と語るが・・・。
その後のお話は、どうぞ劇場でご刮目を!

映画『パンク侍、斬られて候』

映画『パンク侍、斬られて候』

©エイベックス通信放送

綾野剛

1982年生まれ、岐阜県出身。2003年俳優デビュー。NHK連続テレビ小説「カーネーション」(11)でヒロインの恋の相手役を演じて脚光を浴び、「最高の離婚」(13)「空飛ぶ広報室」(13)で人気を博す。主演作『そこのみにて光輝く』(14)では第88回キネマ旬報ベスト・テン主演男優賞、第36回ヨコハマ映画祭主演男優賞など数多くの賞を受賞。2014年には蜷川幸雄演出の舞台「太陽2068」に主演し、活躍の幅をさらに広げた。その後も、『新宿スワン』シリーズ(15,17)など主演作でその実力を遺憾なく発揮し、2016年には『日本で一番悪い奴ら』で第40回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。大河ドラマ「八重の桜」(13)、連続ドラマ「コウノドリ」(15)、『怒り』(16)、『64 ロクヨン』前・後編(16)、『武曲 MUKOKU』(17)、『亜人』(17)、『ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜』(17)など、話題作へのオファーが絶えない。石井監督作品へは『シャニダールの花』(13)、『ソレダケ/that’s it』(15)に続き三度目の参加となる。今後の待機作として、7月クールの主演ドラマ「ハゲタカ」(EX)が控えている。

北川景子

1986年生まれ、兵庫県出身。2003年にモデル・女優として芸能活動を開始。森田芳光監督作『間宮兄弟』(06)で映画デビューした同年には『チェリーパイ』で映画初主演をつとめ、ハリウッド大作『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』にも出演する。2011年には、人気コミックの実写映画化『パラダイス・キス』で主演を果たす。TVドラマ版と劇場版ともにメインキャストを務めた作品として「謎解きはディナーのあとで」シリーズ(11~13)、「悪夢ちゃん」シリーズ(12~14)、「HERO」シリーズ(14~15)などがある。近年の映画では『破門 ふたりのヤクビョーガミ』『君の膵臓をたべたい』『探偵はBARにいる3』(いずれも17)などに出演。2018年には「西郷どん」でNHK大河ドラマ初出演も果たし、いまなお活躍の場を広げ続けている。2018年には『響―HIBIKI―』が公開を控えている。

染谷将大

1992年生まれ、東京都出身。9歳のときに『STACY』(02)で映画デビューし、『パンドラの匣』(09)で長編映画初主演を務める。『ヒミズ』(11)では、ベネチア国際映画祭の最優秀賞新人賞を日本人初受賞。また、2013年には同作や『悪の教典』で第36回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。期待の若手俳優として躍進し、「みんな!エスパーだよ!」シリーズ(13~15)や『WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常』(14)、『寄生獣』2部作(14、15)など続々と主演し、チェン・カイコー監督の日中合作映画『空海 KU-KAI~美しき王妃の謎~』(17)ではタイトルロールに抜擢。その他出演作は、『さよなら歌舞伎町』(15)、『バクマン。』(15)、『3月のライオン』2部作(17)など。2018年には『泣き虫しょったんの奇跡』、『きみの鳥はうたえる』の公開が控えている。

東出昌大

1988年生まれ、埼玉県出身。2006年にモデルとしてデビュー。『桐島、部活やめるってよ』(12)で俳優デビュー。同作で日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(13)に続き、同「ごちそうさん」(13)でヒロインの夫役を務め一躍ブレイク、エランドール賞新人賞にも輝いた。『クローズEXPLODE』(14)で映画初主演し、『寄生獣』前編(14)で主要キャストに抜擢。以降、『アオハライド』(14)、『GONIN サーガ』(15)、『デスノート Light up the NEW world』(16)など主演作が相次ぎ、『聖の青春』(16)では羽生善治役を演じて高く評価された。2018年は主演作『OVER DRIVE』を筆頭に『菊とギロチン』が公開を控えており、9月に公開となる『寝ても覚めても』はカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出された。

浅野忠信

1973年生まれ、神奈川県出身。1990年『バタアシ金魚』でスクリーンデビューを果たして以後、国内外の映画に出演。2003年『地球で最後のふたり』で第60回ベネチア国際映画祭コントロコレンテ部門主演男優賞を受賞。2011年『マイティ・ソー』でハリウッドデビュー。『私の男』(14)で第36回モスクワ国際映画祭最優秀男優賞を受賞。カンヌ国際映画祭においては主演作である『岸辺の旅』(15)が「ある視点」部門監督賞、『淵に立つ』(16)が「ある視点」部門審査員賞を受賞。自身もアジア・フィルム・アワードで、史上初となる最優秀助演男優賞の2年連続(第10回、11回)受賞を果たした。2017年は『沈黙-サイレンス-』、『幼な子われらに生まれ』などの映画の他にテレビドラマにも積極的に出演。TBS「A LIFE~愛しき人~」、CX「刑事ゆがみ」で話題を呼び、「第10回コンフィデンスアワード・ドラマ賞」で主演男優賞を受賞した。2018年はNetflixにてジャレッド・レトと共演した『アウトサイダー』が配信中のほか、9月に『累』の公開が控えている。

永瀬正敏

1966年生まれ。宮崎県出身。17歳の時、相米慎二監督『ションベン・ライダー』(83)でデビューし、ジム・ジャームッシュ監督『ミステリー・トレイン』(89)で注目を浴びる。1991年には『息子』で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞と新人俳優賞を受賞。その後『学校II』(96)、『誘拐』(97)、『隠し剣鬼の爪』(05)などの作品で演技が高く評価される。近年では、河瀬直美監督『あん』(15)、7年ぶりにジャームッシュ組に参加した『パターソン』(16)、再び河瀬監督とタッグを組んだ『光』(17)がそれぞれカンヌ国際映画祭に出品され、出演作が3年連続でカンヌ出品された初の日本人俳優となった。河瀬監督の最新作『Vision』(18)では、仏女優のジュリエット・ビノシュとメインキャストをつとめた。その他にも、2018年はすでに『蝶の祈り』​『SUKITA刻まれたアーティストたちの一瞬』『5TO9』と出演作が公開となっており、映画界の第一線で精力的な活動を続けている。 29年度芸術選奨・文部科学大臣賞受賞。​

村上淳

1973年生まれ、大阪府出身。高校生の時にモデルとして活動を始める。その後、俳優に転向し、1992年にテレビドラマ初出演。1993年『ぷるぷる 天使的休日』で映画デビュー。『ナビィの恋』(99)、『新・仁義なき戦い。』『不貞の季節』(00)の3作品で第22回ヨコハマ映画祭の助演男優賞を受賞する。その後も、バイプレイヤーとしてインディペンデント系の映画を中心に活躍。主な出演作に『ヘヴンズストーリー』(10)、『希望の国』(12)、『戦争と一人の女』(13)、『2つ目の窓』(14)、『ソレダケ/that’s it』(15)、『新宿スワン』シリーズ(15、17)など。また、2018年は『blank13』、『素敵なダイナマイトスキャンダル』、『友罪』が公開となっている。

若葉竜也

1989年生まれ。東京都出身。1990年、若葉劇団にて1歳3ヶ月で初舞台を踏む。陰のある役からアクの強い役まで作品によって180度違った表情を見せる幅広い演技力で、数多くの作品に出演。2016年公開の映画『葛城事件』(監督:赤堀雅秋)で、第8回TAMA映画賞 最優秀新進男優賞受賞。WOWOW「4TEEN フォーティーン」(04)、NTV「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」(06)、NTV「ごくせん」(08/)、CX「赤い糸」(08)、TX「さばドル」(12)、NHK「吉原裏同心」(14)、TBS「新解釈・日本史」(14)、『赤い糸』(08)、『恋極星』(09)、『雷桜』(10)、『GANTZ』2部作(11)、『源氏物語』(11)『DOG×POLICE 純白の絆』(11)、『旅立ちの島唄〜十五の春〜』(13)、『明烏』(15)、『葛城事件』(16)。近年の出演作には、『美しい星』、『南瓜とマヨネーズ』(ともに17)、『サラバ静寂』、『素敵なダイナマイトスキャンダル』、『曇天に笑う』(ともに18)などがある。

近藤公園

1978年生まれ、愛知県出身。2000年より「大人計画」に参加。映画『ウォーターボーイズ』でメインキャストの一人を演じて脚光を浴びる。『隠し剣 鬼の爪』をはじめ『武士の一分』、『母べえ』、『おとうと』、『家族はつらいよ』など山田洋次監督作品へ多数出演。近年の主な出演作にCX「ナオミとカナコ」(16)、NHK BSプレミアム「わたしのウチには、なんにもない。」(16)、CX「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」(17)、『探偵はBARにいる2』(13)、『ふしぎな岬の物語』(14)、『超高速!参勤交代』シリーズ(14、16)などの映像作品のほかに、舞台「ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン」(16)、「陥没」(17)、「すべての四月のために」(17)、「さらば!あぶない刑事にヨロシク」(18)など。最新出演作に『空飛ぶタイヤ』(6月15日公開)、NHK「いだてん~東京オリムピック噺~」(19)がある。

渋川清彦

1974年生まれ、群馬県渋川市出身。19歳の時に、「KEE」名義でファッションモデルとしてデビューし、男性ファッション誌で活躍。1998年、『ポルノスター』で映画デビュー。以降、同作の監督である豊田利晃の監督作品には欠かさず出演している。2004年には『せかいのおわり world's end girl friend』で映画初主演。2006年より現在の芸名に改名。2013年、第26回東京国際映画祭で上映された『そして泥船はゆく』で初の単独主演を果たす。2016年には『お盆の弟』で第37回ヨコハマ映画祭主演男優賞を受賞。2018年は、二本の主演作『神と人との間』(1月公開)『榎田貿易堂』が6月9日(土)より新宿武蔵野館より全国順次ロードショー。さらに今後も『ルームロンダリング』『菊とギロチン』『高崎グラフィティ。』『泣き虫しょったんの奇跡』と続々と公開作が控えている。

國村隼

1955年生まれ、大阪府出身。圧倒的な存在感と確かな演技力で国内だけにとどまらず、『ブラック・レイン』(89)、『ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌』(92)、『キル・ビル』(03)、『KOKORO』(17)、『マンハント』(18)など多くの海外作品にも出演。2017年に日本でも公開され大きな話題となった、ナ・ホンジン監督の『哭声/コクソン』(16)では、韓国で最も権威のある映画賞のひとつである第37回青龍映画賞において、外国人俳優として史上初の男優助演賞と人気スタ-賞の2冠を受賞し、鮮烈な印象を残した。邦画では初主演作の河瀬直美監督『萌の朱雀』がカンヌ国際映画祭で新人監督賞を受賞。主な出演作に『アウトレイジ』(10)『地獄でなぜ悪い』(13)『渇き。』(14)『進撃の巨人 前篇・後篇』(15)など多数。近年も『海賊とよばれた男』(16)『シン・ゴジラ』(16)『ちはやふる』シリ-ズ(16・18)『忍びの国』(17)など話題作・大作への出演が続いている。2018年には主演作『かぞくいろ』のほか、『泣き虫しょったんの奇跡』などが公開を控える。

豊川悦司

1962年生まれ、大阪府出身。90年、『3-4×10月』で注目され、91年、『12人の優しい日本人』で本格的に映画デビュー。翌年、『きらきらひかる』『課長島耕作』に出演し、93年、第16回日本アカデミー賞新人俳優賞のほか、数々の作品で映画賞を受賞。以降も多くのTVドラマ、映画、CMに出演し、常に第一線で活躍し続けている。近年の映画出演作は、『今度は愛妻家』(10)、『必死剣鳥刺し』(10)、『一枚のハガキ』(11)、『プラチナデータ』(13)、『春を背負って』(14)、『娚の一生』(15)、『後妻業の女』(16)、『ブルーハーツが聴こえる』(17)、『3月のライオン 前編/後編』(17)など。2018年はNHK連続テレビ小説「半分、青い。」、『ラプラスの魔女』(5月4日公開)、『のみとり侍』(5月18日公開)など話題作に出演。

映画『パンク侍、斬られて候』

監督:石井岳龍

1957年生まれ、福岡県出身。日本大学芸術学部に入学後、『高校大パニック』(76)を撮る。以降、『狂い咲きサンダーロード』(80)、『爆裂都市 Burst City』(82)でインディーズ界の旗手として名を馳せる。その後『逆噴射家族』(84)、『エンジェル・ダスト』(94)、『水の中の八月』(95)、『ユメノ銀河』(97)を次々と発表。海外でも高く評価され数々の国際映画賞を受賞した。2000年に発表した『五条霊戦記 GOJOE』では牛若丸と弁慶の物語を、CGを駆使したアクション大作に仕上げた。その他の主な作品に、『1/880000の孤独』(77)、『突撃!博多愚連隊』(78)、『シャッフル』(81)、『アジアの逆襲』(84)、『半分人間 1/2 Mench』(85)、『THE MASTER OF SHIATSU 指圧王者』(89)、『TOKYO BLOOD』(93)、『ERECTRIC DRAGON 80000V』(01)、『DEAD END RUN』(02)、『鏡心・3Dサウンド完成版』(05)などがある。2010年に石井聰亙から石井岳龍に名義を変更し、その後『生きてるものはいないのか』(11)、『シャニダールの花』(13)、『ソレダケ/that’s it』(15)、『蜜のあわれ』(16)を発表。現在は監督業のほか、神戸芸術工科大学で教鞭を執る。

原作:町田康

1962年生まれ、大阪府出身。高校時代より町田町蔵の名で音楽活動を始める。1996年に初小説「くっすん大黒」を発表、翌年ドゥマゴ文学賞、野間文芸新人賞を受賞。2000年「きれぎれ」で芥川賞、2001年『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、2002年「権現の踊り子」で川端康成文学賞、2005年『「告白」で谷崎潤一郎賞、2008年「宿屋めぐり」で野間文芸賞を受賞。他の著書に「夫婦茶碗」「人間小唄」「人生パンク道場」「ギケイキ 千年の流転」「ホサナ」「生の肯定」「湖畔の愛」「猫にかまけて」シリーズ、「スピンク日記」シリーズなど多数。また、映画やTVCMへの出演経験もあり、石井岳龍(当時石井聰亙名義)監督『爆裂都市 BURST CITY』(82)や『鏡心』(05)、若松孝二監督『エンドレス・ワルツ』(95)などに出演し、無二の存在感をアピールした。2016年にはバンド「汝、我が民に非ズ」を結成し音楽活動を再開、精力的に活動中である。

脚本:宮藤官九郎

1970年生まれ宮城県出身。1991年より「大人計画」に参加。脚本家として映画『GO』(01)で第25回日本アカデミー賞最優秀脚本賞他多数の脚本賞を受賞。以降も映画『謝罪の王様』(13)、『土竜の唄 香港狂騒曲』(16)、TVドラマでは第29回向田邦子賞を受賞したTBS「うぬぼれ刑事」(10)、社会現象にもなったNHK連続テレビ小説「あまちゃん」(13)、第67回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞したNTV「ゆとりですがなにか」(16)など話題作を次々と世に送り出す。また、2019年放送予定のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」の脚本も手がける。2005年には『真夜中の弥次さん喜多さん』で映画監督デビューし、同年の新藤兼人賞金賞を受賞。最新監督作は『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』(16)。脚本家、監督の他、俳優、ミュージシャンとしても幅広く活動している。

特撮監督:尾上克郎

1960年生まれ。、鹿児島県出身。特撮監督・VFXスーパーバイザー。1982年の映画『爆裂都市 BURST CITY』で美術スタッフとして映画キャリアをスタート。映画、TV、CMなどを中心に美術、装飾、特殊効果マンとして活躍。「仮面ライダー」「スーパー戦隊シリーズ」といった特撮TV番組にも携わる。1985年に特撮研究所所属となり、現在同社専務取締役。最近の劇場公開作品では、『進撃の巨人』(15)、また『巨神兵東京に現わる劇場版』(16)では〈監督補・特殊技術統括〉を務め、『シン・ゴジラ』(16)では准監督・特技総括を担当。2014年より大阪芸術大学客員教授、2017年、日本映画大学特任教授に就任。

美術:林田裕至

1961年生まれ、兵庫県出身。東京芸術大学油画科一年在学時、石井聰亙監督作『爆裂都市 BURST CITY』で映画美術初参加。以降、石井監督作では特殊造型として『逆噴射家族』(84)『ノイバウテン半分人間』(86)等、美術として『The Master of Shiatsu指圧王者』(89)『水の中の八月』(95)『ソレダケ/That’s It』(15)等。『十三人の刺客』(14)、『シン・ゴジラ』(16)において、日本アカデミー賞の最優秀美術賞を受賞。『喰女-クイメ-』(14)、『シン・ゴジラ』では毎日映画コンクール美術賞を受賞している。他に『ロビンソンの庭』(87)、『てなもんやコネクション』(90)、『CASSHERN』(04)、『クローズZERO』(07)、『GOEMON』『YATTERMAN』(08)、『一命』(11)『寄生獣』シリーズ『悪の教典』(12)『TOKYO TRIBE』(14)『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(17)などを担当。

キャラクターデザイン・衣裳デザイン:澤田石和寛

2011年『十三人の刺客』にて第5回アジアンフィルムアワード ベストコスチュームデザイナー ノミネート。三池崇史監督作品『クローズ ZERO 2』、大友啓史監督作品『るろうに剣心』、『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編 』、『秘密 THE TOP SECRETE』、『ミュージアム』、『3月のライオン 前編 後編』、『億男』、チェンカイコー監督作品『Caught In The Web』、園子温監督作品『ひそひそ星』、『新宿スワン』シリーズ、『アンチポルノ』、『TOKYO VAMPIRE HOTEL』、松山博昭監督作品『信長協奏曲』、福田雄一監督作品『勇者ヨシヒコ シリーズ』、『銀魂』シリーズ、紀里谷和明演出舞台『HAMLET』、TVCF「au 三太郎シリーズ」、「arrows 割れない刑事 シリーズ」、「宝島社 死ぬときくらい好きにさせてよ」などでキャラクターデザイン、衣裳デザインを担当する。石井岳龍監督作品は、『シャニダールの花』、『that's it ソレダケ』、『蜜のあわれ』に続いての参加。

映画『パンク侍、斬られて候』

監督:石井岳龍

「最初は2時間尺の配信コンテンツとしてdTVで配信する予定でした。」制作プロデューサーの伊藤は企画の始まりをこう振り返る。
石井監督が原作発表当初から抱いていた「パンク侍、斬られて候」映画化への想いに伊藤プロデューサーが共鳴したことで始まったこの企画。
原作者の町田康と石井監督の濃密な繋がり、宮藤官九郎の石井監督、そして「パンク侍」への想い、すべてが絡み合ったことで
本作はまるで生き物のように、思わぬスピードで作品としてのカタチを作っていった。
パンクな映画監督とパンクな脚本家がパンクな小説家の原作を映像化する。
この組み合わせが織りなす”企み”に面白がって、日本映画界を代表する主役級の豪華俳優たちと一流の制作スタッフが続々と集まってくる。
「この企画は、映画として勝負できるんじゃないだろうか。」
もはや、制作当初の構想以上の作品へと進化を遂げていく過程でこの作品に関わる誰しもが作品に対して並々ならぬ期待を寄せるようになる。
そして、運命に導かれるように映画化が決定したのは、必然の流れであった。
デジタル化が進む昨今、インターネットを介して好きな時に好きな場所で映像作品を楽しむことは、いまや世の中の常識として市民権を獲得した。
それでも、決まった時間に決まった場所でしか楽しむことのできない
「映画」という娯楽は映像エンタテインメントの最高峰として今なお多くの人の心を離さない。
「限られたメディアに向けてではなく、世の中を変える可能性を持った映画として1人でも多くの人に見てもらいたい。」
この作品に関わる全てのスタッフが抱いた想いから始まった配信コンテンツは、
配信事業者が制作した日本で初めての実写映画として6月30日に”映画”として産声をあげる。
パンクな映画監督とパンクな脚本家がパンクな小説家の原作を
パンクな俳優とパンクな制作スタッフで作り上げた映画「パンク侍、斬られて候」を是非劇場で体感してください。

映画『パンク侍、斬られて候』

 町田康による小説『パンク侍、斬られて候』が刊行されたのは2004年のこと。発売時にこれを読んだ石井岳龍監督が映画化を意識したことが始まりだった。石井監督は言う。「主人公の掛十之進をはじめ、様々な濃いキャラクターたちが縦横無尽に活躍していく。なかには猿の軍団と腹ふり党の合戦までありながら、現代の社会をデフォルメした純文学であるという非常に欲張った企画だなと。これを映画にしたら、最近は少なくなっている奇想天外で娯楽的であり、かつ観る人によっては様々なものを感じられる、そんな映画になると思いました」。
 そして映画化へ乗り出そうとするも、技術面や資金面で折り合いがつかず、一度は企画を断念。2015年の5月、監督の『ソレダケ / that's it』公開時に映画を観て衝撃を受けた伊藤和宏プロデューサーが監督に電話したことを機に企画は再び動き出す。
 かつて酒の席で監督が話していた「『パンク侍、斬られて候』をやりたい」という言葉を思い出した伊藤プロデューサーが早速原作者の町田康に映画化を打診すると、かつて監督と『爆裂都市 BURST CITY』(82)、『鏡心・3Dサウンド完成版』(05)《※いずれも石井聰亙監督名義の作品》などで映画監督と一俳優として仕事をしてきた町田は「石井監督だからこそというより、石井監督じゃなきゃ映画化をOKしていなかった」と、これを快諾。
 そして同年の年末には、脚本を宮藤官九郎に打診。「パンクな作家の小説をパンクな脚本家が脚本にし、パンクな映画監督がこれを撮る、というふうにしたかったし、映画に商業性を持たせ、かつ石井さんをリスペクトしてくれる人と考えたら、宮藤さんしかいませんでした」と伊藤プロデューサーは起用の意図を語る。
 監督のファンとして知られ、自身の作品の中でも石井作品へオマージュを捧げてきた宮藤は奇跡的にスケジュールがはまり、2016年秋に脚本執筆に取り掛かる。「前半は本格時代劇に」「いまの人が観て共感できるような物語に」「主役の掛を中心に話が動くように」「恋愛要素を立たせて」といった石井監督と伊藤プロデューサーからのリクエストに応えつつ、原作の大きな魅力である各キャラの”心の声”は、本作中のあるキャラクターにすべて語らせることを宮藤が発案。途中、シーン数を減らした程度で大幅な変更点もなく、無事2016年冬に初稿が完成した。

主人公のパンク侍こと掛十之進役を『シャニダールの花』(13)、『ソレダケ / that's it』で仕事をした綾野剛に、というのは監督たっての希望だった。「シリアス、不良性、アクション、恋愛、ギャグと振り幅広く乱反射していくような掛というキャラクターを演じられるのは綾野君しかいないと思っていました」。
 さらに、掛を取り巻くキャラクターたちにはそれぞれが主役級と言える面々が。その起用の理由をプロデューサーが語る。まず、掛を裏で操作する黒和藩筆頭家老の内藤帯刀には『エンジェル・ダスト』(94)で石井組を経験している豊川悦司を起用。「掛という超人的剣客が超えられない圧倒的な壁を作り、威圧感を出せる人。そう考えたら豊川さんしかいませんでした」。
 掛が因縁の相手と知らず惹かれていくろんには、「出会った瞬間に恋に落ちるぐらいの絶対的な美とミステリアスさ、芯の通った太さを持つろんを演じる上で説得力がある人」ということで石井監督作品初参加となる北川景子を起用。正論が暴走する黒和藩の藩主・黒和直仁には「堅物で真っ直ぐな佇まいを感じさせる殿としての説得力を発揮でき、ギャグにも挑戦できる演技力への期待」ということで、こちらも初参加の東出昌大を起用している。
 黒和藩の次席家老・大浦主膳には監督と『五条霊戦記 GOJOE』(00)、『DEAD END RUN』(02)で仕事をした國村隼を起用。「大浦は内藤と対になる人であり、出てきた瞬間に豊川さんと同様のインパクトがなければいけないと思いました」。近年の石井作品常連組のひとりである染谷将太は大浦の用人の幕暮孫兵衛に。「幕暮は現代の若者というイメージを背負ったキャラクターです。あのちょっと抜けた感じを、芝居巧みな染谷君ならうまく出してくれると思いました」。
 さらに元腹ふり党大幹部の茶山半郎には浅野忠信、“喋る”大猿・大臼延珍には永瀬正敏と、常連組のふたりを起用。「浅野さんは独特の存在感があり、誰が見てもエキセントリックな感じが出せる人ということで。またカンヌの常連の永瀬さんに大猿を演じてもらうというのは、本作の精神性を象徴するようなもの。打ち合わせの際にニホンザルに徹する、と言ってくださった永瀬さんに、この人しかいないと確信できました」。
 いずれキャスト陣は監督との仕事や宮藤の書いた初稿の面白さに惹かれ、出演のオファーを快諾。伊藤プロデューサーは言う。「まずは石井監督作品の常連キャストたちを一堂に集めましょうと。そこにフレッシュな初参加組を掛け合わせ、化学反応を起こそうと。結果的に、最初に考えた夢のキャスティングをそのまま実現できた。奇跡的なことだと思います」。

本作のパンクなビジュアルは、監督の感覚的な指示を的確に捉え、具現化していくプロの仕事によって作り上げられている。
まずは“場”について。本作は数々の時代劇の名作を世に送り出してきた東映京都スタジオをベースに撮影されているが、これを発案したのは監督とは35年来の付き合いである美術の林田裕至だった。林田は監督やプロデューサー陣を伴って京都へ。東映京都スタジオに加え、近郊の寺や山道などもロケハンし、京都で実写部分のすべてが撮れると確信。なかでも、時代劇パーマネントセットがある東映京都スタジオの8スタジオは、黒和藩の大広間やさるまわ奉行所の道場、尊大寺の撮影セットとして、計5回飾り替えして使われることとなった。
 林田は監督の「最初は本格時代劇で、徐々に世界が破綻していくようにしたい」という言葉を受け、本作の美術背景を映画序盤では抑制を利かせデザインしているが、それは先行してできあがっていたカラフルでユニークなキャラクターデザインと衣裳デザインを際立たせるため、という配慮もあった。そして物語が大きく動き出す後半では、スラム街の造型などかつての時代劇にはなかったアバンギャルドな空間を作り出している。また劇中人形劇によるシーンは人形造型含め美術班で担当し、全スタッフ総動員で操演している。
キャラクターデザイン・衣裳デザインを担当した澤田石和寛が本作の脚本を読んで最初に思い描いたものは「宇宙に浮かぶ極彩色の球体」だった。監督から「掛は水色で」と最初にリクエストがあったことから、掛=地球とイメージし、ろん=太陽、茶山=植物、大臼=火、黒和藩=昆虫、オサム(若葉竜也)は大自然とし、それぞれ色彩をあてはめていくことに。掛=水色、ろん=桃色、茶山=黄緑色、大臼=紫・赤、オサム=深緑、黒和藩=無彩色から次第に各人で色を持つようになる、という具合にそれぞれのテーマカラーを決めていった。また着物の形も、次第に崩れていくという本作の世界観に添うよう、敢えて“着崩れて”見えるようデザイン。「襟付けは曲線で襟幅は広く、羽織の襟付けを見本にして襟がそれぞれの首周りに馴染むよう設計され、その襟部分を支点に安定して着られるが、着崩れて見える」というものに。
映画の世界観を支え、強烈なインパクトを残すビジュアルは、こうして緻密な計算のもとで作られていくことになった。

本作のクランクインは2017年の6月29日。以降、8月2日まで京都をベースに撮影が行われ、本隊は東京へと移動。8月5日から31日まで都内東宝スタジオにてグリーンバックでの撮影が行われた。
 その撮影現場を監督は「毎日がクライマックス」と話し、キャストやスタッフは口々に「毎日、違う映画を撮っているようだった」と振り返る。その言葉通り、ある日は本格時代劇、ある日はアクション映画、ある日はギャグ映画、ある日はラブストーリーと、破天荒なストーリー展開に合わせて雰囲気もテンションも様変わりするという、これまでにない映画の撮影現場となった。
 7月6日、東映京都スタジオにて黒和藩場内大広間に黒和藩の藩主・直仁と藩士一同、掛十之進が会する映画序盤のシーンを撮影。藩主・直仁を中心に向かって左側に内藤派の藩士たち、向かって右側に大浦派の藩士たちをシンメトリーに配した画には、まさに本格時代劇といった趣が。その荘厳な雰囲気が、掛が尻を丸出しにすることにより一気に崩れる…という流れなのだが、掛役の綾野剛の提案により、逆ブリッジの形でふんどし姿になって殿がいる方へと進み、途中で尻を向けて突き出すことに。本番の綾野の振り切り具合に、監督の「カット、OK!」の声がかかった途端に現場は笑いに包まれる。掛の型破りなキャラクターが一目で伝わるシーンとなった。
 7月8日には、京都左京区の谷山林道で映画のオープニングシーンを撮影。黒和藩へと続く街道を往く掛が、通りがかりに物乞いする親子の父親(町田康)を斬る。とりわけ、掛が抜刀してから刀を振るまでのカットを撮影する際、綾野がその抜群の身体能力と勘の鋭さを発揮する。アクションコーディネーターの諸鍜治裕太による「刀の軌道を13:35から12:35にして」と時計の針に例えた指示をすぐさま理解し、その通りに体現。斬られ役となった原作者の町田康も「棒はもう0.5秒後で落として」といった監督の細かい指示に的確に応えてみせた。
 7月17日、撮影現場はカオスだった。舞台は東映太秦映画村のオープンセット。約50mの道を黒和藩の城下大通りに見立て、腹ふり衆たちが城のほうへと押し寄せるシーンを撮影。ろんを先頭にろんダンサー、幕暮、オサム、縄次(ラティール・シー)、神輿で担がれた茶山、腹ふり衆の大群とエキストラも合わせ200人超えの腹ふり衆が、「振付稼業 air:man」考案の腹ふりダンスを踊りながら練り歩く。午前中から段取りを重ね、本番は昼過ぎにスタート。気温30℃超えという炎天下の中、腹を激しく振りながら歩くという過酷な撮影を繰り返すこと計5回。ようやくOKが出た時には現場から大きな拍手が。ろん役の北川も「これで少し余裕ができた」と安堵の声を漏らす。
 さらに同日、腹ふり衆たちに囲まれ、襲い掛かられようとする掛をろんが救い出すシーンも撮影。『モーゼの十戒』さながら、海が割れるようにろんが歩みを進めるとその前に道ができる。ろんと掛の目と目が合い、ろんが掛の手を引き寄せた瞬間、カオスだった現場は一転、ロマンスに彩られることとなった。  その他にも、掛と真鍋五千郎(村上淳)の超人的剣客同士の超絶バトルシーンや、大浦と家臣の長岡主馬(近藤公園)と猿たちによる猿回しコメディシーン、猿軍団が躍動する大迫力かつシュールな合戦シーンなど、シリアスにもコミカルにも現場は様変わり。主演の綾野がクランクアップ後に残した言葉は、他にはない本作の撮影現場を物語っていた。
「毎日、『なんだこの映画』ってみんなで笑いながら作りました。今の時点でも一体この映画がどんな映画になるのか、全く想像がつきません」。

驚天動地の世界を織り成す上で、特撮・CGチームが果たす役割は大きい。撮影後のポストプロダクション段階で合成したカットは672、細かいものも含めると約870を超える。その中心を担ったのは、特撮の第一人者である尾上克郎特撮監督だった。尾上もまた美術の林田と同じく、石井監督とは30年以上の付き合いになる。石井監督の「ここはビート感が欲しい」「もっと圧倒的なスピード感で」といった感覚的な要求を正確に理解し、具現化できるのも、その長年の積み重ねがあればこそ。尾上は石井監督との仕事をこう考えている。
「多分、石井さんの頭の中では360度、VRで『パンク侍、斬られて候』の世界が広がっているんです。その世界の中をどう切り取っていくのか。フレームで考えるというより、むしろ枠に収めず、フレームの外の世界の広がりを感じさせる、そんなビジュアルを探していく感じでした」。
 特撮・CGチームがとりわけ力を発揮したのは映画後半の合戦シーン。最も多いところで、ワンカット内に腹ふり衆が約3000人、猿が一億匹映っている。 まずは選抜した8人の腹ふりレギュラー陣をボディスキャンし、CGモデルを作成。その後、踊ったり旗を振ったり、倒れたりと様々なアクションを実行してもらい、その様子をモーションキャプチャ(※現実の人物や物体の動きをデジタル的に記録する技術)する。そうして作り上げられた“デジタルエキストラ”が合戦シーンや打ち壊しシーンの画面の隅々まで多数配されている。
猿も基本的には人間同様。本物の猿には難しい動きは、フリークライマーであり、猿の動きの研究をしているいとうけんいちに演じてもらい、それをモーションキャプチャしたものを使用。本物の猿と、いとうの動きを投影したCGの猿と、アニメーションの猿とを組み合わせて構成している。
 さらに、クライマックスの掛が「俺は、パンク侍だっ!」と叫ぶシーンの背景にも頭を悩ませることに。最終的な方向性を決めたのは、石井監督の「ここは宇宙曼荼羅や!」という一言。尾上は“曼荼羅(密教の修法のため,本尊を中心に関連のある諸尊や守護を方形や円形の区画の中に定められた方式に従って整然と配置して描いた図のこと)”の万華鏡というイメージで背景を作り上げ、見事に監督のアイデアを形にしてみせた。
 主演の綾野剛はクランクアップ時にこんな言葉も残している。「イン前に監督に『今回は宇宙と戦うから』と言われました。監督は、本当に宇宙と戦うことができるかもしれないって思わせてくれる人なんです」。
 そして石井監督と共に過酷な製作期間を乗り越え、一本の映画を作り上げた伊藤プロデューサーは言う。「“圧倒的な熱量を持った超絶エンターテインメント”を感じてもらえる映画になったと思います」。

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